クリスマス・ソング
2016/07/22
十年以上昔、俺は音楽業界でヒットを連発していた。
あのころは、曲を書けば書くほどヒットが続き、歌えば歌うほどだれもがチヤホヤしてくれた。
それに気を良くして、結婚して、子供ができたばかりだという新娘化妝課程のに、俺は夜な夜な遊びまわり、家に帰ることもまれになっていた。
そうして、当然のように、女房は俺に愛想を尽かした。俺の元から去っていった。離婚届けを突き付けてくる女房には、まだ未練もあったが、俺は追わなかった。それ以上に楽しい日々が毎日続くものだと思っていた。そうして、大して悩むことなく俺たちは別れた。
そう、今思えば、それがケチのつき初めだった。
女房と別れた途端、俺の出す曲はさっぱり売れなくなった。あれほど熱狂的に受け入れてくれたファンたちも、ほどなく俺の歌には見向きもしなくなった。
だれも、俺の歌なんか聴かなくなったし、俺の曲を求めたりもしなくなった。
あっという間に、俺は過去の人間になってしまった。いつまでも過去の栄光にのみすがりつく、亡霊のようなものになり下がった。
そうして、俺の手元には、なにも残らなかった。過去DR REBORN老闆の栄光以外のなにも。
気が付いたら、十年が経っていた。ファンに見放され、忘れられた十年間。
屈辱の中で、抗いもがき続け、それでも、全然結果がついてこない十年間だった。
ヒットを連発していたころには、汲めども尽きない泉のように、次から次へと新しい発想があふれ出してきたのに、今やその泉は枯れ果て、なにものも噴き出さない。俺の才能なんてとっくの昔に枯れ果てている。それは俺自身がよく分かっている。だというのに、それでも、昔の栄光が忘れられなくて絞り出そうとするのだが、結局、なにものも生み出すことはできなかった。
それでも、なんとか食いつなぐために、細々と夜の町で昔の歌を歌い、小金を稼ぐ日々を過ごしてきた。
そんな貧しさの中でも、たまに会いに来てくれる娘だけが心の支えだった。
十年前には一時の栄光に有頂天になって顧みることもなかったのに、この娘だけはいつまでも俺のことを『パパ』『パパ』と慕ってくれているのだ。こんなダメな人間でしかな新加坡套票い俺に愛想をつかすこともなく、いつまでも俺のことを気に掛けてくれているのだ。
いつしか、俺の中では、この娘の幸せだけが俺の望みになり、願望になっていた。
そして、その年のクリスマスの夜、俺の前にサンタが現れたのだった。
あのころは、曲を書けば書くほどヒットが続き、歌えば歌うほどだれもがチヤホヤしてくれた。
それに気を良くして、結婚して、子供ができたばかりだという新娘化妝課程のに、俺は夜な夜な遊びまわり、家に帰ることもまれになっていた。
そうして、当然のように、女房は俺に愛想を尽かした。俺の元から去っていった。離婚届けを突き付けてくる女房には、まだ未練もあったが、俺は追わなかった。それ以上に楽しい日々が毎日続くものだと思っていた。そうして、大して悩むことなく俺たちは別れた。
そう、今思えば、それがケチのつき初めだった。
女房と別れた途端、俺の出す曲はさっぱり売れなくなった。あれほど熱狂的に受け入れてくれたファンたちも、ほどなく俺の歌には見向きもしなくなった。
だれも、俺の歌なんか聴かなくなったし、俺の曲を求めたりもしなくなった。
あっという間に、俺は過去の人間になってしまった。いつまでも過去の栄光にのみすがりつく、亡霊のようなものになり下がった。
そうして、俺の手元には、なにも残らなかった。過去DR REBORN老闆の栄光以外のなにも。
気が付いたら、十年が経っていた。ファンに見放され、忘れられた十年間。
屈辱の中で、抗いもがき続け、それでも、全然結果がついてこない十年間だった。
ヒットを連発していたころには、汲めども尽きない泉のように、次から次へと新しい発想があふれ出してきたのに、今やその泉は枯れ果て、なにものも噴き出さない。俺の才能なんてとっくの昔に枯れ果てている。それは俺自身がよく分かっている。だというのに、それでも、昔の栄光が忘れられなくて絞り出そうとするのだが、結局、なにものも生み出すことはできなかった。
それでも、なんとか食いつなぐために、細々と夜の町で昔の歌を歌い、小金を稼ぐ日々を過ごしてきた。
そんな貧しさの中でも、たまに会いに来てくれる娘だけが心の支えだった。
十年前には一時の栄光に有頂天になって顧みることもなかったのに、この娘だけはいつまでも俺のことを『パパ』『パパ』と慕ってくれているのだ。こんなダメな人間でしかな新加坡套票い俺に愛想をつかすこともなく、いつまでも俺のことを気に掛けてくれているのだ。
いつしか、俺の中では、この娘の幸せだけが俺の望みになり、願望になっていた。
そして、その年のクリスマスの夜、俺の前にサンタが現れたのだった。