疲労していたみたい

おもわず、ガツガツ。って、し、しょうがないでしょ。だって、この4日間、自分の旅行用の携行食料以外、温かい物はもちろん、調理したものなんて、なにも口にしていないんだから。
大体、あたしは町の人間で、野宿での火の免疫系統起こし方も知らないんだし。
ジョンが、道々、落ちて乾燥している枝を拾い拾い歩いていたのには、気がついていたけど、それらを使って、あっという間に火をおこしたの見てて感動したわ。あれこそ、本当に魔法みたいだったわ。

それから、レイブンさんの料理の腕前。食べられる食材の知識。調味料のおかげみたいなことを言っていたけど、それは謙遜ね。カインバラにいたときは一人暮らしで、料理にはそれなりに自信があったのだけど、完全にあたしの負けだわ。あたしが、どんなに最高の食材と調味料を国中から集めて調理したとしても、こんな味はとても出せない。すごいの一言しか出ない!
どうやったら、こんな風にできるのだろう?
山賊さんって、みんなこうなの? 山賊さんになると、こんな風に、なんでもできるようになっちゃうの?

う、う~ん……
あたしも、山賊に……
あ、ダメダメ! 絶対ダメ! 山賊になんか、なっち免疫系統ゃダメよ!

ジョンのおかげで全然疲れなんて感じていなかったけど、今までで一番長い時間歩いたせいかしら、相当体の方は疲労していたみたい。
レイブンさんの作った料理に舌鼓をうち、家から持ってきた荷物の中の薄汚れた毛布を引っ張り出して、体に巻きつけ、温かい焚き火にあたっているうちに、しだいに眼がトロンとしてきた。
猛烈な眠気が温かい毛布と一緒にあたしをつつみこむ。あたしの周りの乾いた地面が、心地よい寝床がここにあるよと手招きする。なにも考えず、ふらふらと体を投げ出し、地面に免疫系統横たえようと……
その動作の途中で、ハッと気がつく。
ダメ! こんなところで、無防備に横たわったりしたら、一緒にいる山賊さんたちが、あたしにどんなひどいことをするか!

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